【考察】上手くなる人の思考
はじめに
私は、レジェ未到達の初級者です。
よって、この記事は「上手くなるための指南書」ではなく、
初級者の私からみた「上手くなる人・上手い人は一体何を考え、見ているのか」という考察になります。
「同じ時期に始めたのに、あいつだけみるみる上達していく…悔しい…」といった経験、ありませんか?
私はあります。このゲームを勧めてくれた弟にどうしても勝てず、様々な研究をしました。
その研究に更に今の自分に見えることを加えて、一つの記事としたいと思います。
始めに、結論を。
結論:その一瞬でどれだけ情報を集められるか、そしてどれだけ効率よく情報を使えるか
とても長くなりますが、お付き合い願えると幸いです。
(途中途中で参考としてチンピラさんの動画が出てきますが、本人の承諾を得て編集・掲載しています。無断転載等は禁止でお願いします。)
目次
- はじめに
- 目次
- マリガン確認
- 戦績をつける
- カード・デッキアーキタイプを知る
- 視野を拡げる
- 盤面と手札の打点を常に計算し、両方のリーサルを常時警戒する
- されたら一番嫌だったこと、一番うまくできた動きを覚えておく
- マリガンで迷ったら残して検証
- 一つのデッキへの理解度を深める
- このターン何を優先すべきかを考える・ターンを跨いだリーサル計算
- 手札の動きを見る
- 次何のカードをドローする確率がどれくらいあるか
- カードを出すタイミング
- 常に更に良い回答を探る
- 勝ち筋を通す
- 終わりに
マリガン確認
雑に言うと、「相手が何枚マリガンで残したか」です。
マリガンで残したカード:序盤に使えるカード、若しくはそのマッチで重要となるカード、となります。つまり、もうその時点である程度カードの推測ができるわけですね。
チンピラさんの参考動画
こちらの参考動画では、三枚目を相手がキープ、キープは「練気」 でした。チンピラさんは相手のデッキアーキタイプも予想していたため、更に深い推測が可能だったと思います。
(べっきお(@vecchio_h)さんのあたたかいご指摘で間違いを修正しました。本当にありがとうございましたm(_ _)m)
流石に一ターン目から推測はできませんが、メイジ相手であれば、「動き回るマナ」への回答の一つである「火山ポーション」かな、など様々に推測できます。
カードは左側へと溜まってゆきます。常に左側のカードの推測をする癖をつけると良いのではないかと思います。
戦績をつける
とても大事なこととしてよく挙げられます。
何故かと言うと、本当にそのデッキを使いこなせているのかどうか、が戦績から判断できるからだと思っています。
戦績管理ツールとして有名なのは以下の2つです。
HearthStone Deck Tracker
Track-o-Bot
スマホでHearthStoneをやられている方でも、少々不便ではありますが、戦績管理アプリ、また手書きでも大きな効果があります。
これらの戦績管理ツールはとても便利ですが、大会等では禁止されていることが多いのでご注意ください。
しかし、上達のために使うのは私は大いにアリだと思っています。
カード・デッキアーキタイプを知る
各デッキには「勝ち筋」があり、勝ち筋を通すために使うカードがあります。
その他にも、戦況をひっくり返されかねない要注意カードやAOEカードが多数存在します。
例えば今の環境、vsパラディンで五ターン目に相手のボードにミニオンを残したらどうなるでしょうか。
こんなカードで大逆転される恐れがあります。
また、こんな参考動画があります。
BlizzCon 2015 Ostkaka vs Thijs (Freeze Mage Mirror) (4:00~)
「え、なんで相手のフェイスを殴らずに終末予言者を殴ったの??」と思った方も多いと思います。
私も思いました。そして日本語解説を探してきて理由を探りました。
答えは「もし秘策がアイスバリアだった場合、余計に8点のアーマーが付いてしまい、それが負けに繋がるから」でした。
また、今の環境の基本的な構築のフリーズメイジには、キーとなるカードが二枚、若しくは三枚入っています。
「大魔術師アントニダス」
「アレクストラーザ」
「ガーディアン・メディヴ」(入っている型もあります)
これらを処理する(特にアントニダスは一ターンで処理する)手段が手札にない場合、負ける可能性が非常に高くなります。
常に手札と相手の動きを観察しながら、そのカードに対する「回答」を用意しておきましょう。
デッキの性質を知ること、カードを知ること、どのデッキアーキタイプにどういう要注意カードが入っているか知ることは、勝つための第一歩だと思います。
視野を拡げる
まず、こちらの画像を御覧ください。
酒場の親父に付き合ってもらいました。
少々見づらいですが、
緑=初心者
赤=中級者
紫=上級者
恐らくこんな感じではないかと推測します。
後述しますが、上級者は相手のハンドのどこに何があるかを常に推測し、左の対戦ログを確認し、右のデッキ残り枚数も度々確認します。
その上で動いています。私も真似だけはしています。
これだけで、得られる情報量が圧倒的に違いますね。
今、あなたの視野はどれ程でしょうか。
盤面と手札の打点を常に計算し、両方のリーサルを常時警戒する
まず、拙いですが参考画像です。
ワイルド環境ですが、入っているカードはスタンダードの海賊ウォリアーと同じと考えて下さい。
この場合、どうしたら「勝ち」、どうしたら「負け」るでしょうか。
まず、全てのミニオンと武器の打点を合わせても、リーサルには届きません。つまりこのターンに「勝つ」ことはできません。
では、「負け」る場合はどうでしょうか。
相手のライフが12以下になり、4マナの「必殺の一撃」を顔に打たれたらちょうど六点ダメージで負けますね。(「必殺の一撃」はライフ13以上で4点、12以下で6点ダメージとなります。)
追記(2017/7/21) レースプトさんのコメントより、「ヒロイックストライク」+「リロイジェンキンス」でリーサルだとご指摘頂きました。
その場合、「必殺の一撃」をケアするか、オールフェイスでお祈りをするか、の「攻め」と「守り」の二択になりますね。
ご指摘ありがとうございました…頑張ります…苦笑
ということで、私は左から二番目のミニオンであるアタック3の船長のみ攻撃しました。
(もし相手が「烈火の戦斧」若しくは「ン=ゾスの一等航海士」、「アップグレード」のいずれかを持っていた場合、4/4の「悪辣なる海賊」に攻撃することで自分のライフを削り、12以下にすることができてしまう可能性があるからです。)
追記(2017/7/22) astlampさんのコメントより、次のターンオールフェイスでリーサルなので、このターン攻撃する必要がないとのご指摘を頂きました。
その通りです…頑張ります…苦笑
こういう細かなケアをすべての次元で行い、「勝ち」の確率を高め「負け」の確率を下げることが上達、そしてそれがより繊細にできるのが「上手い人」なのだと思います。
とは言っても急にはできませんよね。私もできません。次に続きます。
されたら一番嫌だったこと、一番うまくできた動きを覚えておく
よし、自分が押している、勝てるぞ!…と思った瞬間、思わぬトレード・カードで逆転されたことはありませんか?
私は嫌というほどあります。苦笑
然し、それはチャンスです。私の師匠曰く、「HS上達には、されて嫌だったことをしっかり覚えておくこと」。
つまり、逆の立場になれば、その「嫌なこと」を相手にできますし、「嫌なこと」を知っていれば回避することもできるのです。
また、これはうまくいった時にも当てはまると考えています。
なぜうまくいったのだろう、と考えること、それが分かれば様々なことに応用できますし、それこそが上達だと私は思います。
みんなで正しく性格悪くなりましょう。笑
マリガンで迷ったら残して検証
まずはTansokuさんの動画から、参考動画になります。
【超難解デッキ紹介】Kolentoコンボプリースト(0:38~)
【怪奇デッキ紹介】J4CKIECHANエッグドルイド(0:57~)
中々ピタっとハマる参考動画が見つけられなかったのですが、他の配信を見てみても言えることは二つです。
「迷ったら残す」「マリガンの段階からマナカーブを意識する」
迷ったら残す、は有名ですね。
試しに残してみて、そのカードが自分が想像した通りの働きをしてくれたか、してくれたとしたらそれはたまたま運が良かったのか、そのマッチアップでは残すべきなのかを、何回もかけてしっかりと考えます。
役に立たなかった場合も同じ検証をして、次のマリガンを考えます。
マリガンの時点から試合は始まってるのですね。
そしてTansokuさんの動画は本当に面白くて為になるので、おすすめです^^
一つのデッキへの理解度を深める
いきなりですが、私は沢山のデッキを使いたい人間です。
そこで、師匠より一言頂きました。
「まずは一つのデッキを極めること」
極める、に程度は各々あるとは思いますが、twitterでアンケートを取った結果、こんな結果が出ました。
【アンケート】
— SobuJP@配信音響相談の人 (@SobuJP_HS) 2017年7月2日
皆さんは、一つのデッキの理解を十分に深めたい時、大体何戦程行っていますか?
(基準はレジェンド到達程度の理解度、とします。
デッキタイプによって異なるとは思いますが、「平均」と捉え、感覚で答えて下さい。)
RTして頂けると幸いです。
宜しくお願いします。
これが信用に値するデータかどうかは置いておいて、私は下手くそなので、少なくとも300戦は回さないとそのデッキのことがわかりません。
マッチアップごとのマリガン、勝ち筋、その時々の動きなどなど。
また、トッププレイヤーのNukesakuさんは、ブログに例えで「最低でも500試合」と書かれています。
少し考えを変えてみて、一つのデッキを極めてみませんか。
そうすることで見えてくるモノが確実にあると、私は思っています。
このターン何を優先すべきかを考える・ターンを跨いだリーサル計算
参考動画です。
このターンに「獰猛な咆哮」を打つか、「段取り」+「退散」のリスクを背負いながらも次のターンのリーサルを狙うかを悩み、チンピラさんは後者を取りました。
その間に、手札の位置から今まで判明しているものを挙げ、確率とリスクを軽く計算して突っ込むことを決めていました。
また、受けのターンではありますが、各カードが手札のどこから出てきたのかをしっかりと見ていました。
動画にはありませんが、その前後の試合でも、シャーマンのオーバーロードと盤面打点を計算し、自分の手札を考えて、次のターンに確実にボードが取れるからこのターンはミニオン処理に回るのが正解、とターン毎にやるべきことをしっかりと定めていました。
また、Tansokuさんの動画より、
【オリジナルデッキ】Tansoku式フェイスハンター(5:00~)
二ターン先、三ターン先を見据えたリーサル計算もとても大事になってくるのだと思います。
「殴り合いをする」と決めたプレイのプランニングも参考になりますね。
過去の大型大会では、
Dreamhack Winter 2014 - Hearthstone Semifinals - Kolento vs. Strifecro - Game 4 (Warrior vs. Mage)
上に挙げた2015年度BlizzConの試合もそうですが、途方もなく先のターンのファティーグダメージまで見据えた勝利プランニングは流石トッププロと言わざるを得ません。
然し、ニターン先、三ターン先の事を少し考えてみることはできそうですよね。
(因みに、チンピラさんは次のターンがリーサルだと気づいてませんでしたが、そこはご愛嬌…笑)
手札の動きを見る
チンピラさんの参考動画です。
チンピラさんはこの時、主にアグロドルイドに採用される5マナの「動き回るマナ」を警戒していました。
相手が7マナ、「タールクリーパー」とヒロパ合わせて残り2マナ。
そこで相手がカードを触ったことで、そのカードが二マナ以下のカードだと判断しました。
実際にこういう場面はラダーでも多く見受けられるかと思います。
カードはカーソルが触れると動くため、大型大会のトッププロの試合では相手に情報を与えないようにと、相手のターンでも無闇にカードを触っていないことが多いかと思います。
(Tansokuさんの初期のYoutube動画で、Tansokuさんによる「カードを触ること」についての説明があったのですが、見つけられませんでした…。「意外と見てる人多いですから、要注意です」という言葉でした。どなたか心当たりの在る方はコメント等にて教えて頂けるとうれしいです;;)
次何のカードをドローする確率がどれくらいあるか
Tansokuさんの参考動画になります。
【ひたすら顔面】海賊ウォリアで月末レジェンドラダー(4:50~)
Tansokuさん動画お馴染みの、リーサル警察が登場します。笑
しかし、これが真剣な大会だったならば、デッキの残り枚数から残り何のカードが残っているか、何のカードがどれだけの確率で出てくるかを考えてると聞きます。
ラダーであれば、それが何百戦と積み重なった時、戦績(勝率)に大きく影響が出るのではないでしょうか。
HearthStone Deck Trackerはデッキリストを表示することができ、デッキの中に何が残っているかを確認することができます。
そういう意味で、上達のために導入するのは私はアリだと思っています。
実際、マリガンを覚えるクセがちゃんと付き、デッキを使い込んでしまえば、参考程度に見るだけになります。
カードを出すタイミング
【月末ラダー終了!】アグロ狩り!Tansoku式コントロールハンター(2:00~)
動画内でTansokuさんが説明してくれています。
初手コイン+コイン+6/6エドウィンのローグに対し、咄嗟にハンドにあった「蛇の罠」の秘策を貼っています。
Tansokuさん曰く、「ここで考えて(時間を置いて)しまうと秘策が何なのかバレてしまう」とのことでした。
つい最近行われた上海の大会でも、タイミングの情報戦がありました。
kuonet選手(Discover Mage) vs Neirea選手(Quest Warrior)の対戦で、Neirea選手が「鎧職人」で急場をしのいだ後の次のターン。
「kuonet選手が間を置かずにすぐに「パイロブラスト」を打ったことで、Neirea選手はkuonet選手の手札にまだ打点となるスペルカードがあることが分かったはず」と、蒼汁さんとArusuさんが実況解説で話されてました。
非常に難しい心理戦ですが、これもカードゲームの一つ重要な技術なのだと思います。
常に更に良い回答を探る
参考動画です。
試合中にも反省。大会なので尚更ですが、常に考えることで記憶に深く刻まれるのではないかと思いました。
【されて嫌だったことの記憶・上手くいったことの記憶】にも繋がるところがありますね。
また、HearthStone Deck Trackerにはリプレイ機能がついています。
あとで見直すと更に勉強になると思います。
勝ち筋を通す
参考動画です。
最後まで「勝つ」ことを考えること、これが一番大切なことだと思います。
終わりに
恐らくこれを読まれた方の最初の一言は、「長い…」だと思います。
知ってます。
知ってます。苦笑
HearthStoneの楽しみ方は人それぞれ、正解も間違いもありません。
なのでこの記事では、あえて目標をぼかし、どんな人に対する記事なのかを設定せず、必要練習時間などを書かないことに決めました。
然し、この記事を100人も見てくださるか分からないけれど、その100人の中でお一人だけでも、自分の中の目標に向けて、ほんの少しでも為になることが書けたらなぁ、と思い、この記事を書きました。
半年、一年後、ここにまた倍以上のものが書けるよう、私も頑張りたいと思います(ง •̀_•́)ง
そして、もう一度振り返って結論を。
結論:その一瞬でどれだけ情報を集められるか、そしてどれだけ効率よく情報を使えるか
最後に、動画を提供くださったチンピラさん、引用させていただいたTansokuさん、Nukesakuさんに感謝の言葉を添えて、終わりにしたいと思います。
以下、案内になります。勝手な引用の無礼をお赦し下さると嬉しいです。
それでは、また次回。
(次回はおふざけ記事が書けるといいなぁ…笑)
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【おまけ】
youtu.be (一応掲載許可は取ってあります。笑)
4H1B BO5の準決勝、0-2からの三タテの瞬間です。
YouTubeの有名チャンネルに載るなど、ネタとして親しまれていますが、配信で笑いながら同時に、私はこんな試合がしてみたいと心の底から憧れました。
HearthStoneの楽しみ方は人それぞれです。
でも、ここまで辿り着いてみたい辿り着いてやる、と思った瞬間でした。
それでは、また次回お逢いしましょう。
長文駄文を読んでくださり、本当にありがとうございました。